ひながいない
深夜2時。眠れない。
さっき、窓の外に人影が見えた。ひとりじゃない。何十人も。白い着物を着た村人たちが、無言で列を作って、山の方へ歩いていく。松明の灯りが、蛇のように山道を登っていくのが見える。
ひなの部屋を見に行ったら、ベッドが空だった。
ひながいない。
窓が開いていて、あの白い着物が、ハンガーからなくなっていた。
嘘でしょう。嘘だと言って。
今から追いかける。山へ行く。ひなを取り戻す。
もし、このブログが更新されなかったら、私たちのことを覚えていてください。
田中さやか。娘のひな。
私たちは、ここにいた。確かに、生きていた。