黄泉戸郵便局・配達不能郵便物記録YOMIDO POST OFFICE / UNDELIVERABLE MAIL LOG
翌朝、配達員は県道247号規制点で停止を求められました。規制は解除済みと聞いていたものの、現地の案内端末は「目的地が見つかりません」と表示し、手書きの宛先を入力しても黄泉戸村の行政区画を候補に出しませんでした。
配達不能郵便物・特別記録
| 時刻 | 記録 | 処理 |
|---|---|---|
| 07:10 | 配達車両が第2規制点へ到着。通行止め標識なし。 | 案内端末確認 |
| 07:18 | ナビゲーションに「黄泉戸村」入力。候補 0件。 | 手書き地図へ切替 |
| 07:31 | 道路は視認できるが、村へ向かう分岐標識の文字が読めない。 | 警備員へ照会 |
| 07:43 | 警備員は「配達先は昨日でなくなった」と発言。 | 局へ連絡、記録保全 |
| 08:05 | 宛先54通を持ち帰り。うち1通は差出日が当日午前0時。 | 特別保管 |
差出人:
北県地域記録保全会
三枝 真由
北県地域記録保全会
三枝 真由
至急/記録保全
黄泉戸村役場 総務課
山口隆 様
山口隆 様
特別保管された1通は、差出人・三枝真由から山口隆宛てでした。消印は令和2年11月16日 00:00。内容物はありませんでしたが、封筒の内側に鉛筆で「外に出した。地図を見て」と書かれています。郵便局の消印機は0時00分に稼働しておらず、通常の郵便物としては成立しません。
配達員の聞き取り:村境の警備員は役場職員でも県職員でもなかった。白い手袋をしていた。封筒を見せたとき、一人が「もう届いている」と言った。私は誰にも渡していない。あの人は、宛名を見ただけで山口という名前を知っていた。
照合の手がかり:封筒の指示「地図を見て」は、三枝真由が外部へ残した記録とつながります。地図の更新履歴では、午前0時ちょうどに黄泉戸村の境界ポリゴンが消え、郵便局の住所検索も同じ瞬間から失敗しています。
配れなかった郵便を、誰かが読んでいた。
封を開けずに、宛先を知っていた。
――中原敦・聞き取り書より。
関連資料
- O-006:地図データ更新履歴 — 0時00分の境界削除。
- O-007:三枝真由 調査ノート — 封筒を出した観測者の記録。
- O-003:村境監視所勤務記録 — 同じ規制点の夜間記録。
- CF-005:通信記録束 — 封筒、未送信記録、削除記事、受領控えを到達状況ごとに照合する。
- EP-003:返送不能・複製照合票 — 0時00分消印、複製意図、紙面の閲覧を同じ経路と断定せず照合する。