広報よみど 令和2年5月号MAY 2020

稲刈り

今月の表紙:黄金色に実った稲穂と稲刈りの様子。稲穂の一部は不気味なほど赤い色をしています。

【重要】黄泉戸村奉納祭参加義務条例の制定

9月15日の村議会定例会において、「黄泉戸村奉納祭参加義務条例」が全会一致で可決、即日施行されました。本条例により、11月15日に執り行われる奉納祭への参加は、満6歳以上の全村民の義務となります。

これは、我々の村が新たな時代へと進化するための、不可欠な通過儀礼です。村の永続的な繁栄と、大いなる存在からの恩恵を確実なものとするため、村民が一丸となる必要があります。正当な理由なく祭りを欠席した者、あるいは祭りの神聖さを汚す行為を行った者に対しては、本条例に基づき、村内での一切の経済活動の停止、および村からの永久追放を含む厳格な罰則が科されます。歴史の転換点を前に、一人ひとりが村民としての責任を自覚し、行動していただくことを強く求めます。

村からのお知らせ

稲刈り完了9月下旬、村内全域で稲刈りが完了しました。一部で報告されていた「赤い稲穂」は、収穫後、奉納祭のための特別な供物として、神社に納められました。
村民運動会10月10日、黄泉戸小学校にて村民運動会が開催されます。奉納祭を前に、村民の結束を固める良い機会です。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

連載コラム「村の言い伝え」第9回

ひじょう事態とも言える空気が、村を覆っています。奉納祭参加義務条例の制定。異例の事態です。

とうとつな決定に、戸惑う村民も少なくありません。しかし、表立って反対の声を上げる者はいません。

つよい同調圧力が、村全体を支配しています。「みんながやるから」「村長が決めたから」。思考停止の連鎖です。

のこされた時間は、あとわずか。役場からの通達は、日を追うごとに強圧的なトーンを帯びてきています。

にちじょうの会話すら、どこかぎこちなくなりました。互いに腹を探り合い、密告を恐れるような空気。

くるしい状況の中で、神社の存在感だけが異様に大きくなっています。心の拠り所を求めているのでしょう。

たがいに助け合う。その美しい村の精神が、今、最悪の形で発揮されようとしています。集団の狂気として。

いのちの尊さを説きながら、個人の意思を奪う。この矛盾に、なぜ誰も気づかないふりをするのでしょうか。

にげることは許されません。我々は運命共同体なのだと、スピーカーからの声が毎日繰り返しています。

暮らしのコーナー

夢の中の歌

子供たちの間で流行している奇妙な歌は、今や大人たちの間でも口ずさまれるようになりました。誰もが「夢の中で覚えた」と話し、その歌詞の意味を理解していません。しかし、その歌を歌うと、不思議と心が落ち着き、奉納祭への期待感が高まるという声が多く聞かれます。

駐在所だより

先月報告のあった村外からの訪問者ですが、数名が村の禁足地である神社の裏山に侵入しようとし、村民によって確保されました。彼らは「村を救いに来た」などと意味不明なことを話していましたが、現在は村の集会所にて「保護」されています。皆様、ご安心ください。

村民の声

「電話が通じなくなりました。役場に問い合わせても『回線の不具合で復旧のめどは立たない』と言われるだけ。おかしいです。」

(下町地区・40代男性)

「私たちは選ばれたのです。この村で生まれたこと、それが誇りです。早く、早くその日が来てほしい。」

(中町地区・30代女性)

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川島電気商会

奉納祭の夜は、村中が特別な光で満たされます。照明設備の点検・設置はお早めに。一家に一台、非常用発電機も。

学校だより「ひまわり」

100周年記念授業

4月より、毎週金曜日に「御神体降臨100周年記念特別授業」を実施しています。内容は禍ツ神文字の学習、奉納祭の歴史、そして「約束」についてです。

お知らせ

5月より、全校児童に白い着物が配布されます。奉納祭当日に着用するものです。サイズが合わない場合は担任までお申し出ください。なお、着物は祭りの日まで毎日着用することが推奨されています。

保健だより

全村民の健康状態:極めて良好

定期健康調査の結果、全村民の身体機能が年齢平均を大幅に上回っています。特筆すべきは、全員の脳波パターンが完全に同期していることです。これは医学的に前例のない現象ですが、村民の皆様は心身ともに健康ですのでご安心ください。

※ 某大学への報告は、村長の判断により中止しました。外部に知らせる必要はありません。

連載コラム「黄泉戸の四季」第9回

春が来た。だが、今年の春は、これまでとは違う。桜が咲かない。代わりに、見たこともない黒い花が、村中に咲き乱れている。花弁は御神体と同じ漆黒で、かすかに青白く発光している。美しい。恐ろしいほどに美しい。村人たちは皆、この花を愛でている。この花の香りを嗅ぐと、頭の中に声が聞こえる。優しい、温かい声。「もうすぐだ」と、その声は言う。

文・写真:黄泉戸村郷土史研究会

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